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麗羅の館Ⅲ

第一話:友永陽子

一週間前、麗羅の診察を終えた後、麻美はすぐに引越しすることを思い立った。こうなると、彼女の行動は早い。この行動力が今の彼女の成功の秘訣だろうが、翌日には、家を決め二日前には引越しを済ませていた。今まで住んでいた所も結構、高級住宅街だったが、こんどはそれ以上だった。そんな気持ちにさせたのも、近所、陽子の学校のことを考えてのことだっただろう。まったく知らない土地でまったく新しい陽子を育てたいという、母心だったに違いない。

陽子はいま麻酔をかけられ、あの別室に備えられているベッドに横たわっていた。母麻美の姿はない。
今日は部分的に細胞を摂取するだけだった。
天才的なメスさばきで陽子から少量の肉片を切り取っていく。
そしてそれよある培養液に入れていく。
十数個の最後は内太腿から皮膚を2~3cm四方くらい切りとって作業を終了した。
そして麗羅は、部屋を出て麻美と裕美に、
「あとの措置・・・裕美ちゃん、お願い・・」
「・・・は~い・・」
裕美の軽い返事に麗羅は、笑いながら睨み返し、麻美に向かって、
「これで、今日はおわりです。・・後のことを少々、お話したいんですが・・」
「ありがとうございます、・・・後のこととは?」
「まず、髪の毛の長さは・・・」
「・・今のままでいいと思うんですが・・あの子の意見も・・」
「そうですね、・・あとは、手術の連続になります。痛みに耐えかねる時もあります。そのときは、母親として、はげましいたわってあげてください。」
「はい、わかりました。でも、どのくらい期間になるでしょうか?」
「およそ半年くらいです、でも陽子ちゃんのような幼い子はわたしにも経験がないので・・・。若いゆえに回復も早いと思われますが・・・あと、若干大人びた身体にさせますので、生理もすぐ始まります。妊娠、出産も可能ですので、性交渉はくれぐれも・・」
麻美は目を丸くしながら、あわてたように首を振った。とんでもないというような感じである。しかし、麗羅は意に介した様子もなく、
「後は、普通の女の子のように成長しますので、心配なさらないでください」
「はい。・・・これであの子も、幸せになれます」
「・・・・術後の一年は、毎月ここに来てください、結果を見ます。変調とかがあったら大変ですから・・」
「・・なにか、あるんですか・・・」
「・・なにかあるというより、肌のチェックとかです。あと、性機能が正常になっているかどうかとか・・・脳とか五感をつかさどるもの、内臓等は変えていませんから、心配なさらないでください」
「そうですか・・・性機能といわれると、男に戻ってしまうってことですか」
「ありえません。ただ、ここまで幼い子は、初めてですのでデーターがないのが現実なのです。そのデーターを作るのにも、協力してもらいたいんですが、お願いいただけるでしょうか」
「・・・実験台ですか・・」
悲しそうな麻美の言葉に、麗羅はきっぱりと言い放った。
「そうです、今後、陽子さんのような子達のためです。誰かが先駆者にならなければ、不幸な子を救うことはできません。そのためのデーターです。ただわたしとしては、今回の処置には、自信があります」
「・・・失礼いたしました、・・言葉が過ぎました」
「こちらこそ、きつく言い過ぎました。いままで、137人の方を異性にチェンジしてきましたが、一件たりとも不都合はおこっていません。先ほども、申しましたが、成長過程の子ははじめてですので・・・」
「・・・その方々は、お子さんを・・・」
「ええ、女性になられた方は全員、出産されています。やはり、確かめたいんでしょうかね、本当かどうか。また、子供がほしいという方達を選んでいるせいもありますが・・」
「・・・じゃあ、わたしも、おばあちゃんになれるんですね」
「はい、もちろんです。ちゃんと戸籍さえ作り直してあげれば、幸せな人生がおくれると思いますよ」
「はい、がんばります」
「そろそろ、・・・・目覚めたころですから、こちらへ・・」
麻美を誘導しながら、また別室、性別適合手術室のある部屋の、北側の小さな部屋、といっても南側の三室が大きすぎるので、小さく見えるだけでバス、トイレ付の8畳はあろうか。絨毯敷きで、ふかふかそうなベッドと全身が写せる大鏡があるだけだった。
部屋にたどり着いた二人は、バスルームから陽子の裕美出て来るのを待った。二三分の後、にこやかな裕美のあとから、まだ眠そうな半身バスタオルで包まれた陽子が出てきた。その彼女の顔を見ただけで、麻美の顔はほころんだ。「・・・バスタオルを、取って・・」
麗羅の言葉に、陽子は恥ずかしそうにためらっていたが、おずおずと取り去ったバスタオルの下から、ところどころに包帯や絆創膏がはってあり痛々しい姿だった。
「うん、。・・・まず、写真を撮らせて・・・それから、採寸・・」
写真の言葉にやや拒否態度を示した陽子だったが、どこから取り出したのか、裕美がカメラを手に、陽子を撮りくっていた。胸や性器を隠そうとする陽子に麗羅の厳しい言葉が飛ぶ。
「隠すのはやめなさい。・・・誰に見せても、恥ずかしくない綺麗な身体にするためだから・・大丈夫、ちゃんと女の子にしてあげるから・・」
「じゃあ、鏡でいまの自分を見てみなさい」
麗羅の言葉にも、恥ずかしいのか、怖いのかためらっていた陽子だったが、やがて意を決したように振り返り、自分の姿を、鏡に映していた。その表情は、鏡越しに他の三人にも見て取れた。
包帯姿の自分にやや顔を曇らせた。

麗羅は、
「さあ、採寸しましょう・・」
厳しい表情をしながら、裕美は陽子を北側沿いの隣の部屋へ導いた。
その部屋も、今の部屋と同じ造りだったが、採寸に必要なものはもちろん、鏡台、クローゼットなどが置いてあった。
全裸でいることになれたのか、女性ばかりだったので安心感があるのか、また今の自分の姿を目にやきつけたのかとにかく陽子はもう性器や胸を隠さなくなっていた。
裕美は手馴れた手つきで、身長、体重を量り終えた。
「身長158センチ、体重40キロ・・あとは、スリーサイズです」
それを、聞いた麗羅は、写真を数枚、その部屋においてあるパソコンに取り込みスリーサイズを割り出していた。身長、体重の数値を入れ、全身の写真に当てはめると、小さなウインドウに数値が出てくる。それを、読みあげた後、プリントしたバスト83,25cmウエスト42・53cmヒップ85・34cm”
これはもう、立派な大人の体系だった。ちょっと顔をしかめながら。麗羅は、プリントをおえたB5用紙を麻美に手渡しながら、
「術後のサイズです。まだ、伸びますから、最終的には・・・・両親の体系をから判断しますと、175cmを超えるかもしれません。バストは95cm近く、ウエストが・・・理想は58から62・3です。ヒップのほうはと・・普通、男のままですと、骨盤が女性より小さいのでいつもは、意図的に大きくするのですが、陽子ちゃんの場合、小さいころ男性機能を失っていますので、このままで、今後の女性ホルモンの働きに期待します。・・たぶん、95cmくらいでしょう」
「175cmにもなるんですか・・」
「あなたが168cm、おとうさまが175cm・・・これを現代の体系に当てはめますと、・・これくらいです。ただ、背骨の間隔をつめ、肋骨を一対とります。これによって脚の長さは白色外人以上になるはずです」
「・・・・は・・・い・・」
麻美にはまだ先のことで、想像からの判断なことなのでよく理解できていないようだった。しかし、麗羅は矢継ぎ早に、
「これから、14歳くらいまではかなり早い成長になりますので、下着は勿論、洋服、ぴったりとした洋服の買い置きは避けてください。すぐ着られなくなりますから」
まだ、理解できていない麻美だった。

二人はそんなやり取りをしながら、麻美と陽子を次の部屋へ案内した。
「ここで入院中は過ごしてもらいます。」

「お母さんも、顔だけでも変えます?」
などというものだから、麻美は顔満面に笑みを浮かべながら、
「できます?・・・あっ、わたし、会社に行かなくっちゃ、いけないんだわ・・・あまり変わっても社員が驚くし、・・・残念だけど・・・」
「どおせ、毎月くるんだから、少しずつ変えていったら・・」
裕美もその気になっていた。麗羅はいまは、ただ黙っていた。しかし、そんな裕美の言葉に麻美は、
「そうですね・・・そうですね・・・みんなが見慣れたころ、また変えれば・・そのうちに昔のわたしに顔など忘れてしまいますね・・・」
妙に納得し始めた麻美だったが、麗羅が横槍を入れた。
「そんなことでしたら、そのあたりの美容整形でできますわ」
麻美の変身話は終わりである。しかし、その様子なら他の病院で生計手術をするかもしれない。
翌日から陽子に少量の女性ホルモンが投与されはじめた。やや遅いかもしれないがふつうの少女のような骨格のなればいいのだが。
その翌日からはまず顔の整形手術が行われたのだった。
希望のアイドルタレントの陽子くらいの年齢を想定した顔に造り替えられる。
頬骨を削り、眼は二重、唇の整形等まずは顔中心に変身していく。

ホルモン投与は成人なら2週間置きだが陽子の場合、1週おきに行われた。
これは麗羅の発想からだが、はやめに乳房を大きくし、必要なら乳腺などの移植をするためだった。
また骨盤など骨の成長具合の見たかったのだった。

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megumi2001

Author:megumi2001
仕事・家事・執筆・・・・忙しく動いています
家事は・・・新彼と同棲中・・・・なので
更新、遅れ気味で・・・

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