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麗羅の館Ⅰ

第一話:友永陽子

五月晴れの新緑の中、裕美はすらりと伸びた長い足を、惜しげもなくさらし、颯爽と歩いていた。まるで外人を思わせるその脚を、わずかばかりのミニスカートで覆い隠し、長袖のサマーセーターは、大きすぎる乳房にはちきれないほどだった。
純白のそのセーターの胸元にまで、大きく開き肌を露わにしていた。さらけ出された肌はセーターに負けないくらいの白さで周囲の男性の目を釘付けにしていた。さらさらと伸びた長い髪は腰まで届きそうだった、そしてワンレンの髪形のせいでやや大人びて見えた。実のところまだ十九歳であるが見た目は、二十台半ばに見える。そのせいか、誘ってくる異性の年齢もやや高い人が多い。
そのことには別段気にはしていないが、やはり年相応には見られたいという気持ちからか今日のいでたちは、若さにあふれていた。細く整えられた眉に象徴されるように、見事に施された化粧であるが、きょうはおとなしくナチュラルメークで、すべてにひかえめだった。ピンクのルージュにピンクのアイシャドー、チークもほどほどにアイラインもグレーでおとなしいものだった。しかし、長いまつげのせいか、やはり派手な顔立ちはすれ違う人の目を独り占めにしていた。

大きな目の下の表情は、笑顔にしろ、泣き顔にしろ、それは愛らしく見え、男心をくすぐるに違いない。また、いまみたいに、きっと結んだ口元の表情はとてつもなく美しい。
身長もまた、標準よりかなり大きく百七十センチは超えているだろう。周りから目立って見えるのもそのせいかもしれないが、人並みはずれたスタイルは、まるでモデルを見ているようである。自分に自信のない男などは、とても声などかけられない雰囲気を漂わせていた。
高い身長のせいか、あまり高いパンプスなどはかない裕美だが、今日はそのいでたちとはつりあいの取れない十センチは超えるハイヒールを履いていた。その姿は、つま先で歩いているようではあるが、姿勢が綺麗でまるで、モデルのような歩き方をしていた。
少女の雰囲気を漂わせた美女が、長く綺麗な足をまるでモデルのように歩く姿は、緑の多いこの郊外の街にも似合って、まるで絵画の中にいるようであった。
裕美はさらに、郊外へと進み、周りに民家などないところに出ていた。やがて、大きな塀に包まれた洋館の門の前に立っていた。塀の中は、大きな木が多い茂り、多いな公園のようなその洋館は四階建てだった。
とても進入などできそうもない塀は、南側と北にしか入り口はなく、その高さといえば、およそ四メートルはあろうか、さらに上端には先端の尖った鉄棒が取り付けられ、有刺鉄線が張り巡らされていた。その有刺鉄線にも、なにやらの蔦が絡まり、さらなる雰囲気をかもしていた。

この塀には数多くの監視カメラが供えてあったが、さらに多く備え付けてある南の門の前に立っている裕美は、カメラに向かって笑顔の横で右手のピースサインを見せていた。
間髪を入れずに開いた門の中に颯爽と入る裕美だったが、ここから本館の門まではさらに歩かねばならない。芝が敷き詰められた本館までの道は、車など通ったことのないことがわかる。
まがりくねったその路は、時折木々のよって薄暗くはなるが、有り余る皐月の日の日差しを浴びることができる。散歩がてらに歩く裕美の姿は、ここでも絵のなかであった。両手を後ろに回し、手にしたハンドバックをひざの後ろで揺らしながら、木々を眺めるかのように見上げながらゆっくりゆっくり歩いて、本館に向かっていた。
本館の門でも同じだった。多くの監視カメラでガードを固められた、本館にはいるには、並大抵のことではない。しかし、裕美は左手を門の隅に備え付けられたパネルにあて、さらにその右に備えてあるレンズに両目を当てると、門はおずおずと音を立てながら開き、薄暗いなかに光を差し込んだ。
玄関を入ると薄暗かったエントランスホールに、照明がはいり一気に明るくなったが人影はなかった。入って右手には、螺旋階段がありそのエントランスホールの左には窓があるが、厚いカーテンに覆われていて日などほとんど差し込まなかった。
そのホールにはほとんど何もなく、窓下に贅沢な造りのソファがおいてあるだけだった。入ってすぐ目に付くのは、誰の作かはわからない、大きな絵画が壁に飾ってあることだった。裕美は螺旋階段の下を通り、突き当たった左側のドアーを勢いよく開け、中へと入っていった。
やはり広い部屋にはいったが、この部屋はやたらあれこれ物が置いてあり、置いた本人でもわからないだろう。そしてさらにつぎの部屋へとはいっていった。

中には、やはりこの世のものとは思えないほどの美女が、一人がけのソファに座り、物思いに耽っていた。隣の部屋側に備え付けられた数台のモニターに目をやることなく、ただ漠然と窓の外を眺めているようだったが、ここの部屋の窓も厚くはないが、レースのカーテンで覆われていた。そしてこの部屋には、8畳くらいの別室が設けられていて、いまは、ドアーも閉まっていて中をうかがい知ることはできない。
その女性も長く髪を伸ばしていたが、軽めのカールをかけている。さらに化粧も裕美にくらべれば、濃かったがやはり絶世の美女には違いない。プロポーションもほうも、上品なシルクのブラウスに膝上五センチくらいのミニタイトスカートではあったが、胸の隆起や腰のくびれ、お尻の豊満さからうかがい知ることができる。全身黒ずくめのその姿は、大人の女性を感じ、裕美の若さ溢れる美しさがうすれ手見えた。
「麗羅お姉さま、こんにちは」
「・・・・ええ、・・ひさしぶりね・・」
「・・どうなさったの、お姉さま・・」
「・・・ええ、・・・」
麗羅と呼ばれた、その女性の言葉の歯切れが悪いことに、気付いた裕美は、はっとしたように、
「また、患者さん、・・・」
「ええ、・・・イメージが、・・・」
「わかないのね、・・・で、いつ診えるの?」
「・・あと、1時間もしたら・・」
「もう、お姉さまは、新しい患者さんが来ると、いつもそうなんだから・・」
「・・・だって、一大決心をしてくるんだから、こちらとしても、最大も事をしてあげようと思うと、どうしても、ね」
「・・・写真かなにか、もらってるの?」
「・・・・・」

麗羅は無言のまま、一枚の写真を裕美に手渡した。それを見ながら彼女は、
「・・う~~ん、・・いくつなの、この子・・・?」
「まだ十一歳なのよ、・・・母子家庭で・・・・本人もそうだけど、母親のほうが、熱望しているみたい・・・」
「なら、問題ないじゃない」
「当人達はね、・・問題は、こんな小さい子に、耐えられるかどうか、・・データーがないのよ・・・」
「・・・そっちのほうは、わたしには・・・」
「・・・悩んでいても仕方ないわ、・・・会ってみて、決断するしかないわね、もうすぐみえるし・・・・」
「そうね・・・」
そんな時、やさしくチャイムの音がし始めた。
二人の目線は、おのずとモニターのほうにむけられた。二つのモニターが母親らしき人物と少女を映していた今回の患者らしい。

麗羅の導きによって、二人は真ん中の部屋に通されていた。あれほど雑然としていた部屋も、ふたりの来客があるとなんとなく落ち着き、しかるべきものがそれなりにちゃんと置いてあるようだった。

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megumi2001

Author:megumi2001
仕事・家事・執筆・・・・忙しく動いています
家事は・・・新彼と同棲中・・・・なので
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